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定量と定性・具体と抽象

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言葉というものは時間・時代とともに変化するものなので簡単に「その使い方は不正解!」と言い切れないと思っていますが、ある言葉について、ちょっと使い方や解釈が違うのでは?と思うものがあったので、そのことについて書いてみます。

 

「定性的」の定義

今回とりあげたいのは、「定性的」という言葉です。ネット検索すると、定性的=抽象的と書いてある文章が散見されるのですが、辞書における言葉の定義としては、以下のとおりです。

 

※出典:デジタル大辞泉小学館

定量的 ていりょうてき

1 数量に関するさま。ある物質にその成分がどれだけ含まれるかを表す場合などに用いる。
2 数値・数量で表せるさま。

 

定性的 ていせいてき

1 性質に関するさま。ある物質にその成分が含まれるかどうかを表す場合などに用いる。
2 数値・数量で表せないさま。

 

具体的 ぐたいてき

はっきりとした実体を備えているさま。個々の事物に即しているさま。

 

抽象的 ちゅうしょうてき

1 いくつかの事物に共通なものを抜き出して、それを一般化して考えるさま。
2 頭の中だけで考えていて、具体性に欠けるさま。

 

対義語になっているのは定量と定性、具体と抽象なので、定性的で具体的な文章も、定性的で抽象的な内容もあるわけです。また、定量的だけどあまり具体的ではない情報もあります。

 

例えば、

①なんか辛いものが食べたい気分です。

②今私は新宿中村屋のインドカリーが食べたい。

③なんか辛いものを500グラム食べたい。

 

ちょっと例文に無理があったかもしれませんが(笑)、①は定性的で抽象的、②は定性的で具体的、③は定量的で抽象的な文章です。

 

ビジネスは数字の世界なので定性情報のみの文章や報告に対してネガティブな場合もありますが、良い情報というものは、適切なバランスで定性情報、定量情報が入っており、かつ必要な範囲で具体化あるいは抽象化しているものだと思います。つまり、使い分けが必要ということです。

 

特に人材育成の場面では、定量化を意識するだけではうまくいかないこともあります。例えば、結果の数字のみに注目するのではなく、態度やマインドなど、数字で表しにくいものを承認したり、褒めたりすることも大切です。

 

目標設定や評価でのポイント

以上の内容について、目標設定や評価の場面で考えてみます。

 

目標設定においては、基本的には具体化すること、定量的に書くことが大事です。

例:

売上を◯%アップさせる

事務ミスを10件以下におさえる

◯月までに◯㎏減量する

 

しかしながら、具体的な定性情報やイメージも加えるとより良い(実現したくなる、ワクワクする)目標になります。

例:

売上を◯%アップさせてみんな笑顔の忘年会を開催する

事務ミスを10件以下におさえてマネージャーからプロフェッショナルとして認知される

◯月までには◯㎏減量して武田真治のようなボディを手に入れる

 

なんだか、頑張ってみたくなりませんか?

 

また、既述のとおり、評価やフィードバックの場面では、定性的側面にも着目するとより有効なことがあります。具体的に、ということも意識するとより効果的になると思います。

「契約を5件とれ、売上に5%貢献したので良かった」

→「メールなどを見るにいつも顧客への丁寧な対応ができている点と、契約を5件とって売上に貢献したという事実が評価できる」

 

どちらが嬉しいでしょうか?

 

その他、複数の人を公平に評価しなければならない場合には、評価基準を少し抽象化してみることも有効です。

店内に聞こえるボリュームでお客様に挨拶できているかどうか

→明るく、元気で、爽やかなコミュニケーションができているか

 

前者の例だと全体的な態度ではなく、声の大きさのみで評価してしまいかねません。

 

他にもさまざまなポイントがあり、ネット上にもいろいろな記事がありますので、複数調べて比較してみると良いかもしれません。

 

個人で上手く目標設定できない、部下へのフィードバックが上手くいかない、などのテーマもコーチングでサポート可能ですので、よろしければご相談ください!

 

 

クリエイションコーチン

Creation Coaching

代表・HRコーチ

中村 公省 Kosei NAKAMURA