今の仕事は自分の市場価値を高められる仕事か?
「今の仕事は今後のキャリアアップにつながるのか?」
「この仕事を通じて自分の市場価値を高められるのか?」
こうした悩みや疑問を持つビジネスパーソン、特に若手サラリーマンは、少なくありません。
これに近いものとして、
「いま学んでることは将来のキャリアに立つのか?」
「自分の専門を活かせる会社が見つからない!」
「学業に関してアピールできることがない…」
という悩みを抱える就活中の学生さんも多いかと思います。
こうした悩みの背景には、仕事に「役立つこと」または「活かすこと」に関するある種の誤認が隠れています。
仕事に役立つ、活かすというと、ハードスキルや生み出した成果にのみ着目してしまう場合が多いのですが、実はこれが悩みを生む大きな原因の1つです。
つまり、機械工学の知識がある、プログラミングができる、ファイナンシャルプランナー資格がある、営業で3億円売り上げた…などの極めて具体的なものに注目してしまうと、それ以外の強みが見えなくなってしまうことがあるのです。(もちろん、ハードスキルや成果も大切な強みであることは間違いありません。)
仕事に役立つもの、活かせるものは、知識、具体的スキル、資格、具体的(定量的)成果だけではありません。もっとソフトなもの、経験そのものや、プロセスの中で学んだこと、得たこと、気づいたこと、こうしたものも仕事に役立てることができ、活かすことができます。場合によってはそれらのインパクトの方が大きいこともあります。
※ある側面で、こうした誤解が「文系不要論」にもつながってくるのですが、少し脇道に逸れてしまいそうなので、今回は参考文献を提示するにとどめます。
普通に仕事をしているだけでも、普通に勉強をしているだけでも、人はさまざまな経験をし、さまざまなことを学び、さまざまな強みを発揮しています。
それらを自覚するだけで、楽しく仕事ができるようになったり、しっかりと自己PRできるようになったりと、成長と市場価値の向上を促すことができます。
より具体的な方法としては、仕事や学問の内容そのもの、あるいは仕事の成果や論文などの「結果」ではなく、プロセスや具体的な行動・作業・経験していることなどに着目してみるという手法が挙げられます。
- プロセス全体を通じて得たものは何か?
- 普段よく使っているスキルやよくしている作業(議事録を書く、顧客と雑談をするというレベルでもOK)は何か?
- この経験を経て、ある時点から自分はどういう部分がどの程度成長したのか?
- 仕事を細かく分解してみたときに、得意な部分はどこか?
例えばこのような問いかけを自分に対して行ってみると、自分の強みやセールスポイントがきっと見つかります。
私の例で言うと…
学生時代は社会学を学ぶ中でインタビュー調査を楽しくやっていたり、人事の仕事の中でも各種の面談(採用面接、退職面談、復帰時面談など)が割と得意(相対的にストレスなくできる)であったりと、「聴く」ことに強みがあることを発見しました。特に、話しやすい雰囲気、話し手の言いたいこと理解してまとめる・言い換えるといった部分が強みだと気づき、その後コーチングを学んでスキルを上げ、本業のレベルアップはもとより、副業も開始するに至っています。
学生時代に学んでいた内容それ自体(社会学の各種理論など)や人事の仕事で得た知識(労働法など)にのみ注目していたら、おそらく今の状態にはたどり着かなかったものと思います。
ぜひ、皆さんも仕事や学業のプロセス、日々の具体的作業・行動に着目して、自分の強みを考えてみてください。もし、自分一人では見つけられない...という方は誰かに尋ねてみる、あるいは質問してもらうというのも手です。(まさに、コーチングの利用価値はここにあります!)
クリエイションコーチング
Creation Coaching
代表・HRコーチ
中村 公省 Kosei NAKAMURA