ビジネスにおける「ウンコのおじさん」
先日、近所の公園で自分の息子(4歳児)と遊んでいたところ、3、4人の名も知らぬ子どもたち(彼らもお互いに知らない子どもどうし、上は小学校中学年から下は年少さんまで)が突然集まってきて、カオスな鬼ごっこが開始されました。
他のお父さん方もそうなのかもしれませんが、私の場合割とよくこういうことがあり、何かの特殊能力なのかと思ってみたりしています。そしてこの能力を活かし、ウンコのおじさんでも目指すか、と思ってもいる今日この頃です。
ウンコのおじさんとは
ウンコのおじさんとは、社会学者宮台真司が提唱し実践する、子どもにとっての斜め横の関係、価値観をずらしてくれる存在のことです。
親や教師、兄弟などの縦の関係でも、友達という横の関係でもなく、近所のおじさんという斜め横の関係。親や教師が見せてはくれない、時に叱って禁じてしまうような行動、価値観を見せ、体験させてくれる存在です。
ウンコのおじさんから、家庭や学校では"学べない"ことを学び、子どもは"たくましく"成長していくのです。
現に宮台先生は道路にチョークでウンコの絵を描くなどし、近所の小学生たちのヒーローになっているそうです。(やりすぎ注意ですけどね…)
私はまだその一歩を踏み出せていませんが(踏み出して良いのか?)、地域社会貢献として、地域での子育て支援として、少しずつ自分なりに何かしらのトライをしてみようかな、と思っています。
会社におけるウンコのおじさん
「ウンコのおじさん」は子育てと地域社会の文脈だけでなく、ビジネスの文脈でも価値を発揮しうるのではないでしょうか。(職場でウンコの落書きをせよということではありません、念のため。)
「ダイバーシティ&インクルージョンからのイノベーション」の世の中においては、上司部下や職場の同僚、同期といった単純な縦横の関係性ではなく、例えば、隣の隣の部署のあまりよく知らない先輩や年1回会うか会わないかの関係会社の人など、斜め横の位置から、遊びや"おふざけ"によって価値観をずらし、新たな発想をもたらしてくれる、ビジネス版ウンコのおじさんが必要とされているかも、しれません。
お目汚し失礼しました!
クリエイションコーチング
Creation Coaching
代表・HRコーチ
中村 公省 Kosei NAKAMURA
人材育成は語れてしまう問題
教育や人材育成、人事に関する議論は盛り上がりやすく、時に炎上しやすいものです。
要因は単純で、誰でもそれらしく語れてしまうから。誰しも教育や人材育成制度や人事制度の対象となったことがあり、当事者として語れてしまうわけです。しかも、自身の人生そのものに影響するものだけあって、思いや熱量を込めて、自分ごととして議論ができるのです。
もちろん、ユーザーの声は大切ですし、現場の思いは大事にしなくてはなりません。より良いものを創るためには、インスピレーションやパッションも必要です。
ただし、過去の経緯をきちんと踏まえて考えられているか、組織や社会全体のバランスを考えることができているか、といったことがもう一方で非常に大切になってきます。
議論することは良いことですが、冷静さ、客観的視点は大事にしたいですね。
特に、人事や人材育成、人の成長に携わる身としては、パッションと同時に、偏りすぎないニュートラルなスタンスを意識することはもちろん、議論だけをする批評家ではなくて、自ら行動し、何かを創っていくことのできる実践者たりえるかということを念頭に置きたいと思っています。
だからこそ、副業も始めて、よりダイレクトに社会や目の前の人に貢献していくことに決めたのです。
そんな副業で感じたこと、気づいたことを近々まとめていきたいと考えています。お楽しみに!
クリエイションコーチング
Creation Coaching
代表・HRコーチ
中村 公省 Kosei NAKAMURA
ロールモデルがいないという悩み
「ロールモデルがいないので今後のキャリアが不安」。そんな声を聞くことがあります。そもそもロールモデルとは何なのでしょうか。そして、必要なものなのでしょうか。
ロールモデルとは
簡単に言うと、手本となる人物、将来このような人になりたいと思える人物、ということです。
「人物」と書くと、身近にいる先輩や上司をイメージする人もいると思いますが、必ずしも実在する、近くにいる人物でなくて良いと思います。
例えば、以下のようなパターンもありえます。
①身近な人でなくても良い
例:テレビで見た人、本で読んだ人、しばらく会っていない学生時代の先輩、取引先など別の会社の人
②実在する人でなくても良い
例:小説や漫画の登場人物、歴史上の人物
③人ではなくても良い
例:「ライオンのように威厳あるリーダーになりたい」「布団のように暖かい人になりたい」
④1人でなくても良い、要素の集合でも良い
例:A先輩のようにアイデアマンであり、B課長のように傾聴力が高い人
⑤自分でも良い
例:弱点を克服した自分、役員になった自分
つまり、ロールモデルとは、いるかいないかではなくて自分で探求するもの、あるいは創るものです。自分は自分であり、他の人にはなれません。自分はどうなりたいのか、その具体的イメージを、実在の人物などを利用して描くということです。
ロールモデルは必要か
では、ロールモデルはキャリア形成上、必要不可欠なものなのでしょうか。結論から言うと、なくても問題はありませんが、メリットがあることは明らかです。例えば、以下のようなメリットです。
まず、イメージを持つこと自体に意味があります。具体的目標としてのロールモデルを持つことで、具体的な行動が喚起され、成長し、成功をおさめることができます。
また、課題に直面したときに役立つこともあります。この場面でロールモデルだったらどうするのか、というシミュレーションをし、思考のヒントを得ることができます。
例えば、坂本龍馬ならどう考えるか?スティーブ・ジョブズならどう行動するか?将来の自分なら今の自分にどうアドバイスするか?と考えることで、突破口を見つけられる場合があります。
その他、参考情報として以下の記事を見つけましたので紹介します。
キャリア形成における「5つのロールモデル」メソッド - Chikirinの日記
ロールモデルが同じ会社や身近にいない!と嘆く前に、少し思考を広げてみてはいかがでしょうか。
クリエイションコーチング
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代表・HRコーチ
中村 公省 Kosei NAKAMURA